Win-D-Fenderとは

ウィンディフェンダー – Win-D-Fenderは、フルートに装着するウィンドプロテクターです。
野外での風は、何世紀にもわたってフルート奏者を困らせてきた大きな問題でした。
屋外コンサート、マーチングバンドのパフォーマンス、海辺の結婚式の演奏…大事な本番であればあるほど、風が止むことを祈るしかありません。
外での演奏になるといつもよりうまくいかなかったのは、決して奏者のせいではないのです。
これらの悪夢を、Win-D-Fenderが最新の設計と製法による画期的な解決策で一気に打破します。
Win-D-Fenderは米国特許と商標を取得しています。

2019年、世界最大の楽器フェアNAMM Showにて吹奏楽・オーケストラ部門においてベストアワードを受賞しました。

開発秘話

1990年代後半、Win-D-Fenderの開発者はジャズバンドでサックスを演奏していました。
ジャズバンドのリーダーはスタン・ゲッツの大ファンで、ライブでボサノバを演奏するのが大好きでした。開発者の彼はサックスでボサノバを演奏するのはいまいちだと感じ、メンバーの誰も聞いたことのないフルートの演奏で面白くしてやろうと考えました。
彼はすぐにフルートの楽譜を用意し、次の演奏の機会に備えます。
この日の仕事はテキサス州のぶどう園、ワインの屋外試飲が行われている会場でした。約20のぶどう農家と数百人のゲストを迎え、市長が司会を務める重要なイベントでした。
ライブが始まり、バンドリーダーが最初の曲を「イパネマの娘」 と紹介したので、彼はサックスをおろし意気揚々とフルートを構えました。
リーダーが怪訝そうに見つめると、彼はこう言いました。「まあ見ててよ」と。


バンドメンバーはイントロを奏ではじめ、彼はマイクに近づき、いざ最初の音を演奏しようとしたその瞬間、突風が彼の顔に当たり、フルートの歌口へ吹きこんだ息を邪魔してしまったのです。
まるでフクロウのさえずりのようなか細い音だけが鳴り、彼は演奏を止めてしまいます。
彼は8小節待ったのち再び演奏しようとしますが、さらなる突風が吹き、ついに彼のフルートを黙らせてしまいました。
周りを見回すと、バンドリーダーは呆れた顔、トランペット奏者は失笑、市長やステージに近いワインの試飲者たちも何が起こったのかわからないという表情でした。
「僕が悪いわけじゃない、風が原因なんだ!」と思いながら、彼はフルートをケースにしまいトランペット奏者にそれ以降の曲を演奏してもらうことになりました
そんな恥ずかしい経験が、彼にこう考えさせました。
「こんなトラブルに遭遇したフルート奏者は私が初めてではないはず。フルートは何百年も前からあるもので、野外で演奏するマーチングバンドにはフルートはたくさんいる。一体皆どうしているんだ?」

多くのフルート奏者に尋ね、こんな結論に達しました。
―そんなときには彼らは演奏をやめてしまう。風はフルートを黙らせてしまう。

フルート奏者に、二度とこのような屈辱を受けさせなくない

そんな思いで作られたのが、このWin-D-Fenderでした。